東海道の宿場町のひとつ、三重県・関宿を歩いてきたので軽くまとめます。

その前に少し寄り道します。

●亀山城多聞櫓
亀山市本丸町576-1。
1590年岡本宗憲が築城しました(関氏が鎌倉時代に別のところに築城したり現在地に移したりしていますが長くなるので省きます)。江戸時代には伊勢亀山藩の居城になります。多聞櫓は1632年ごろに築造されたと見られます。廃城令に伴い城自体は現存していませんが、多聞櫓は三重県唯一の現存する城郭建造物として県史跡に指定されています。
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中に入れます。

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本丸にあった井戸。亀山城築城時、ここにあった民家を移動したことから「与助井戸」とも呼ばれます。城外に通じる抜け道があったというありがちな説もありますが確認されていないといいます。

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すぐ近くの亀山神社。

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亀山城の鎮守社、南崎権現社の神官である大久保家の邸宅の門。亀山小学校の裏門として再利用するため移築されたあと、また移動させられ現在に至ります。

さて、本題の関宿に移動しましょう。

●道の駅関宿
亀山市関町新所674-8、9:00~18:00営業。
食堂と土産屋のある小さな道の駅。関駅のほぼ目の前にあります。
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関宿のマップ。宿場町らしく一直線で歩きやすい作り。

●関地蔵院
公式HP:http://www.seki-jizoin.or.jp/
亀山市関町新所1173-2。
真言宗御室派の寺院。創建は不明ですが行基により741年に創建されたと伝わります。日本最古の地蔵菩薩を所有。
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いい雰囲気(語彙力が貧困)。

●会津屋
公式HP:http://www.aizuya72.com/
亀山市関町新所1771-1、11:00~17:00営業、月・火曜日休み。
三重県産のうるち米ともち米を使い釜で炊いたおこわが売りの店。建物は江戸時代後期の旅籠であり、江戸時代に「関で泊まるなら鶴屋か玉屋、まだも泊まるなら会津屋か」と歌われていました。
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お薦め定食1,500円。量が上品なので丼でわしわし食べたい気もしますが、この量だから1,500円で済んでいる気もします。

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関宿の町並み。道幅がせまくて電柱がないのが宿場町っぽさがあっていいですね。

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古道具屋。

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●玉屋(玉屋歴史資料館)
亀山市関町中町444-1、9:00~16:30開館、月曜日休み、拝観料300円。
旅籠で使われていた道具や歴史資料を展示する資料館。建物自体も江戸時代に「関で泊まるなら鶴屋か玉屋、まだも泊まるなら会津屋か」と歌われていた旅籠を修復したものです。
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江戸時代の旅行ガイド的なやつ。
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離れ。武士などが泊まる、宿内でも特に上等な部屋。
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どれくらいの宿泊スペースが割りあてられるのかは分かりませんが、広さ的にキャパシティはそこまでなさそう。町の中でもトップクラスの宿なので元からキャパシティは不要なのかもしれませんが。

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●関まちなみ資料館
亀山市関町中町482、9:00~16:30開館、月曜日休み、拝観料300円。
江戸時代に建てられました。町の移り変わりを写真展示しています。
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外観を撮ったはずなのですが写真がどこかに行ってしまいました。
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●瑞光寺
亀山市関町木崎799。
関氏ゆかりの寺。境内の権現柿は徳川家康が食べたといわれます。
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●関の山車会館
亀山市関町中町531、9:00~16:30開館、月曜日休み、拝観料300円。
山車や関連資料を展示しています。関の山車は「関の山」という言葉の語源になりました。
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巨大な山車を保管しています。

●遊快亭(坂口家)
松鶴楼という芸妓置屋でした。今は青果店。
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●旧浅原家
かつては江戸屋と称しており米屋・材木屋を営んでいました。江戸時代の形をよく残しており、障子の下張りに「万延(1860~1861年)」の文字があることからそれ以前の建築とされます。
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特に説明のない建物ですが銭湯の名残りが残っていてかわいらしいですね。

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●御馳走場
関宿に出入りする大名行列を宿役人が見送りした場所。
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●東追分
東海道と伊勢別街道の分岐点。鳥居は伊勢神宮を遙拝するためのもの。
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●岩間家
元は白木屋という屋号であり、東追分で稼ぐ人足や車夫の宿でした。
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●白玉屋(前田屋製菓、三宅家)
亀山市関町中町407、10:00~18:00営業、無休。
江戸時代から作られていた銘菓、志ら玉の店です。
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志ら玉と草餅。志ら玉は見た目通りあんことかための餅だけのシンプルな和菓子で、「江戸時代に歩き疲れてここにたどり着いた時に食べたらおいしいだろうな」という感じの優しい味。草餅は餅に歯ごたえと重みがあって食べごたえがあります。

●田中家
大正初期に建てられました。醤油醸造業を営みます。関町で最も広荘な町屋のひとつ。
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関宿は雰囲気のいい建物が多いですが、現役の住宅がほとんどなので外観のみの見学のパターンが多いです。

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●西追分
東海道と大和・伊賀街道の分岐点です。
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●深川屋(服部家)
亀山市関町中町387、9:30~18:00営業、木曜日休み。
寛永年間、初代の服部保重が「関の戸」を考案し現代まで銘菓として親しまれてきました。
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●橋爪家
江戸時代初期から両替商を営み、江戸にも出店していた豪商。江戸時代後期には芸妓の置屋も行っていました。街道に対して屋根の三角形を見せる建て方は珍しいとされます。
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神社や仏閣で多く見られるむくり屋根(丸くふくらんだ屋根)をしています。

●鶴屋(西尾脇本陣、波多野屋)
江戸時代に「関で泊まるなら鶴屋か玉屋、まだも泊まるなら会津屋か」と歌われていた脇本陣。
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関宿全体の傾向として、歴史的に価値の高い場所が木製看板1枚でさらっと説明されて外観をながめるだけというパターンが多い気がします。こういった建築物を改造して遊園地化するのがよいか、安易に集金・集客目的で改造せずそのまま保存するのがよいかは難しいですが。

●ウーノボーノ
亀山市関町新所1185、11:30~14:30(ランチ)、14:30~16:00(カフェ)、16:30~21:00(ディナー)、日曜日はディナーなし、月曜日休み。
関宿エリア内ながらおしゃれめのカフェです。
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今回はこれで終わりです。素敵な町並みで集金・集客にガツガツしているような雰囲気もなく、何となく歩くにはとてもいい場所でした。

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帰りの御在所サービスエリア。
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近隣の有名飲食店が集結していて土産屋も大きいので1時間くらいはここでつぶせそう。
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赤福もこの場で食べられます。過去に40年近く消費期限や生産日を偽造していたり暴力団に長年商品をおろし続けていたりと、老舗ゆえに倫理観が現代から少しズレ気味だけど商品自体はとてもおいしい。

今回はこれで終わりです。