今回は福島県・土湯温泉に行ったので軽くまとめます。

なお、外部メディア「トリップノート」でもここの記事を書いているので合わせて確認してみてくださいね。

●土湯温泉
福島駅東口7番乗り場からバスで40分。福島市南西の山間にある温泉地です。大穴貴命(大国主命)が荒川のほとりを鉾で突くとわき出したとされる温泉地。秦河勝(聖徳太子の側近)が病にかかった時、夢枕に立った聖徳太子のいわれるがままに湯治した場所ともされています。豊富な湯量も特徴。ちなみに土湯系と呼ばれるこけしの発祥の地。

東日本大地震の時は被災者を受け入れる気概を見せましたが、さわぎがひと段落して人が去った影響で5つの旅館が廃業してしまいます。近年は地熱発電ビジネスや廃業した旅館の活用などで回復方向です。

ちなみに土湯温泉は奥土湯温泉郷と呼ばれる山奥の秘湯や男沼・女沼といった景勝地もありますが、徒歩で行くのはとても厳しいので、あくまで徒歩で行ける土湯温泉中心部のみの散策となります。

さっそくですが今回の宿はこちらです。

●ホテル山水荘
福島市土湯温泉町字油畑55。
土湯温泉の中では人気の高い宿の1つ。1人客、レイトチェックインでも泊めてくれる上に比較的安価(今回も1万円弱)です。
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1人でこの広さなら十分すぎますね。

さて、さっそく夕食を食べにいきます。

●みらく
福島市土湯温泉町下ノ町30。11:30〜14:00、20:30〜23:00営業、無休。
餃子とラーメンの店。半世紀の歴史をほこります。
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温玉ちゃんラーメンと開運満月餃子。ラーメンはかんすいなどをひかえた自然の材料で作り、餃子は注文後に餃子を包むところから始めるそうです。特にラーメンは、今ではなかなか食べられない昭和っぽくて優しい味。店のおばさんも低姿勢ながら愛想が良くて、世の中がこんな店ばかりだったらチェーン店なんてはやらないだろうなと思いました。ほめすぎですね。

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山水荘に帰って大浴場に行きます。これは瀧の湯。
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瀧の湯内にある桶の湯。

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1階にあるつれづれの湯。唯一24時間使えます。かなり昭和感ただよう雰囲気。お世辞にもきれいではありませんが、湯治場と割り切って気にしない方は良いと思います。

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翌日の淵の湯。瀧の湯とは時間で男女が入れ替わります。
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淵の湯内にある桶の湯。滝が見えます。
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ぬる湯もあります。完全に瀧の湯の上位互換ですね。

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翌日のバイキング。日本庭園が見える位置で朝食。名物のきじがゆ(きじ肉で出汁を取ったおかゆ)に岩魚味噌を乗せたものがとてもおいしくてお代わりしました。
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デザート。

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地味に部屋の風呂も源泉を引いているので、チェックアウト直前にさくっと入ります。

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山水荘を去ります。これで1万円弱ならコストパフォーマンス抜群ですね。高級旅館には泊まる気ないけどケチるのも……という方にちょうど良いです。

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コインロッカーがなくて少し困ったのですが、土湯温泉観光案内所で預かってくれました。

ちなみにこれからの説明は土湯温泉公式HPのマップを見ながらだと分かりやすいので合わせてご覧ください。

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かわいい看板。

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巨大こけしのある橋(荒川大橋)。昨日夜通った時は少し怖かったです。

●興徳寺
福島市土湯温泉町字上ノ町76。
親鸞の高弟性信により浄土真宗本願寺派の寺として1250年に創建されます。その後九山(米沢城に創建された禅林寺の開祖)により、1615年に臨済宗妙心寺派として再興されます。数度の火災にあい、現在の建物は1971年の再建となっています。
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聖徳太子堂。半身不随になった秦河勝が夢枕で上司である聖徳太子に告げられるまま土湯温泉で湯治をしたところ、無事治ったといいます。秦河勝がここを去る時、再度夢枕に立った聖徳太子が「自分はここにとどまって人々を救う」と告げたため、祀っているそうです。中には袖なしの服を着て人毛が植えこまれた聖徳太子像が安置されていますが、数十年に1度しか開帳されないとのこと。

部下の健康まで気遣うのは上司としてすばらしいですが、夢の中まで入ってきて指図してくるのはちょっと怖いですね。

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薬師こけし堂。内部にはこけしがびっしりとおかれています。ここは聖徳太子が秦河勝に命じて造らせたといいます。1913年8月27日に水害で消失しましたが、1974年11月21日に再建されます。元々は聖徳太子が帰依していた薬師如来を祀っていましたが再建にともない木地業の始祖とされる惟喬法親王も合わせて祀りました。これは、土湯温泉がこけしの名産地であることが理由です。

さて、次は奥土湯温泉郷の中でも徒歩で行ける川上温泉を目指します。土湯温泉から1.2キロほどの距離です。

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道中の山道にあった道祖神。やだ……おっきい……///。

●奥つちゆ秘湯川上温泉
福島市土湯温泉町字川上7。
9:00〜21:00日帰り入浴可。源泉かけ流し(場所によっては近くのわき水である水道水を加水)の宿。増改築をくり返し、複雑で古びた雰囲気をかもし出しています。巨大な立湯・万人風呂、手彫りで1年半かけて造られた半分洞窟半分露天の半天嵒窟風呂、青森ヒバを使った木湯・あすなろ風呂があります。男女で使える風呂が入れ替わるので事前にHPで確認しましょう。

お風呂の写真は他の方(背中に大きい刺青のあるおじ様)がいたのでなしです。

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こけしや冬虫夏草が飾られたナイスなセンスの休憩室。

また1.2キロ歩いてもどります。真夏でも土湯温泉は気温低めなので楽です。

●熊野神社
福島市土湯温泉町杉ノ下の西にあります(厳密な住所なし?)。
1774年に建てられたあと、1930年にここへ移されました。土湯温泉に多くいる林業関係者から信仰されています。
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レトロ看板かわいい。

往復2キロ歩いて少し疲れたので食事休憩します。

●ひさご
福島市土湯温泉町杉ノ下21。11:30〜14:00、20:00〜23:00、木・金曜日休み。
十割そばときじ(雉)ラーメンの店。
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五種よくばりそば。温泉卵、エリンギの卵焼き、きのこの天ぷら、山くらげの和えもの、トマトのコンソメ煮つき。

食事した勢いで温泉街の外れにも行ってみましょう。厳密な住所がないので場所の説明は省いていきます。

●六地蔵
福島、松川、二本松へ続く道に1766年以前から立っていましたが明治時代の廃仏毀釈の際、破壊され埋められました。その後偶然掘り起こされましたが、損傷がひどかったため新しく作りました。
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旧六地蔵。
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新六地蔵。

●渡辺治右衛門の墓
1767年生まれの土湯温出身の和算家、渡辺治右衛門の墓です。
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あれていてどこが彼の墓から分かりませんでした。

●九山の墓
米沢城の禅林寺の開祖であり、先ほどの興徳寺を復興させた人の墓。非常に頭のいい人物だったようで、彼にあやかるために墓の裏をけずってその粉を飲むことがはやったそうです。そのせいで大きく墓がえぐれています。
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●滝のつり橋
荒川の支川である東鴉川の滝の上にかかる橋です。
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意外ときれいな水。
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カメラを水の中にしずめてみました。すばらしい透明度。

また中心部にもどってきたので、帰りのバス(1時間1本程度あるのであまり待つ必要がなくて便利です)まで時間をつぶします。

●アサヒ写真館ギャラリー
福島市土湯温泉町下の町9。10:00〜17:30営業、不定休。
こけし絵つけ屋兼土産屋兼カフェ。日本全国から集めたこけしを展示しています。カフェとしてのキャパシティは低く6席3テーブルのみ。バス停がすぐ近くなので時間調整にすごく便利です。
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バス停土湯温泉駅前の荒川の支川である東鴉川の滝。地元では三段の滝と呼ばれてますが厳密には東鴉川第一堰堤と言います。

今回は以上です。6時間程度で気軽に回れる上に福島観光の拠点にもしやすい良い場所でした。



※おまけ
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帰りに食べた米沢牛すき焼き弁当。



●次はどこに行く? (他の旅行記事に移動します)●
・同じく福島駅近くの名湯、飯坂温泉に行く。
・2013年のこのブログ黎明期の福島県の記事を見に行く。